日本は、四季があり冬になると寒気が日本列島に降りてきて、急激に寒くなりあまり外に出たくなくなります。
しかし、冬になって寒くなっても用事や仕事などで外に出なくてはいけませんよね。
そんな時は、ホカホカのカイロを持って外に出かける人も多いのではないでしょうか?
カイロは、ひらがなやカタカナで表記をされることが多いですが、漢字では、懐炉(カイロ)と書き、懐を温めるという意味でこの名前がついたようです。
ちなみに「懐が暖かい」という言葉がありますが、カイロとは関係なく、持ち合わせの金がたくさんあるという意味で使われます。
多くの商品には、カイロとカタカナで書いてあることが多いので、てっきり海外の言葉だと思っていましたが、カイロは日本の言葉だったようです。
現在では、中に黒い粉が入っている使い捨てカイロが一般的ですが、元々は石を温めて使用していたのがカイロの始まりであるとされ、いろいろな進化を遂げてカイロは現在の形になったとのですね。
○なぜカイロは温かくなるのか?
酸化という言葉を知っているでしょうか?
酸化とは、電子を失う化学反応であり、ある物質が酸素と化合する反応のことをいいます。
私たちが良く見ている火は、炭素が酸化することによって起きている現象になります。
このように物質が酸化すると熱を放出することがわかっており、カイロも酸化を利用して熱を発生させているのです。
カイロは、鉄を酸化させることによって熱を発生させますが、通常の状態の鉄は、酸化速度が遅くカイロのように発熱することはありません。
そのため、カイロは鉄が酸化しやすいように加工がしてあります。
具体的には、鉄を粉末にして酸素と触れやすいようにし、塩を加えて酸化の効率を上昇させて活性炭で酸素を取り込んでいます。
こうすることで、鉄の酸化が早まり発熱を起こします。
カイロの酸化する速度は決まっており、すべて酸化してしまえば発熱しなくなるので、使いすてカイロの有効時間は酸化している時間だということになります。
〇なぜカイロは使い捨てにするの?
カイロを一度酸化させてしまえば、酸素を取り除かないと使えません。
そして、酸化させるより酸素を取り除く方が難しいので、エコではありませんがそのまま捨ててしまうのです。
カイロは、一般的には不燃ごみとして処理ますが、地域によって違いがありますのでわからない時は地方自治体にお問合せください。(o_ _)o
ちなみにカイロが酸化によって発熱するには、酸素が必要なので、発熱した後でも空気が入らないような袋につめれば酸化を止めることが可能です。
そして、もう一度、袋を開けるとまた発熱させることもできます
本当に酸化を止めてみたい人は、真空パックを使用することをおすすめしますが、残り時間が少ないカイロは酸化しきっている可能性がありますので、半分以上の残り時間があるもので実験をしてみてください。
○カイロの使用期限は?
カイロが発熱しなくなるのは、カイロの中の鉄がすべて酸化してしまった時なので酸化しきらないかぎりカイロは使用可能です。
つまり、カイロの使用期限は、カイロが酸化しきるまでになります。
袋に入っているカイロはどうなのかというと、袋内に酸素があればそれを利用して酸化しますが、基本、密閉されているので酸化が非常に遅くなります。
酸素は非常に小さい物質なので、かなり少量ではありますが密閉されている袋の中にも侵入することがわかっており、袋の中に入っていても徐々に酸化して使用時間が減少されるようです。
しかし、カイロは使用期限から10年たってもほとんど遜色なく使えるとされており、袋に穴や傷がなければ非常に長持ちします。
しかし、袋に穴が開いていれば、使用期限がきていなくてもカイロが使えなくなることがあります。
だから、きちんと密封されているカイロであれば、期限切れのカイロでも問題ない場合が多いので捨てない方がいいと思います。
○期限切れカイロの問題点!?
期限切れのカイロは使えることが多いですが、問題点も少しあることを理解して使うことをおすすめします。
まず、貼るカイロが貼れないカイロになるかもしれません。
貼るカイロの糊の部分が劣化して、粘着力の低下がみられることがありますので、そういった時は普通のカイロとして使用しましょう。
そして、期限切れのカイロは、発熱時間が通常のカイロよりも短い時があります。
これは保存中にすでにカイロの酸化が進んだためであって、放置したので仕方ないことです。
だから、期限切れのカイロは、時間や発熱が少ない可能性があることを理解して、短時間ように利用した方がいいかもしれませんね。
しかし、カイロは食べ物ではありませんし、危険物でもないので、期限切れでも問題なく使うことはできます。
家に期限切れのカイロがどこかに眠っているかもしれませんよ。
もし、期限切れのカイロを見つけたら、捨てずに使ってみてはいかがでしょう。