こんなにも子どものことを思っているのに、諭した言葉は子どもの耳に届かず、反対にうっとうしがられる。
「あなたのことを思っているからこそ言っているのに・・・」「どうしてわかってくれないの?」
親であれば、このような経験は、どなたでも思い当たるのではないでしょうか?
そして、「親の心子知らず」なんだから・・・と嘆いていませんか?
〇「親の心子知らず」「子の心親知らず」とは・・・
「親の心子知らず」ということわざはご存じですよね。
親の子どもに対する深い愛情が子どもには伝わらず、子どもが勝手気ままにふるまうこと。また、自分が親になってみなければ、親の気持ちはわからないということを意味しています。
その対義語として「子の心親知らず」ということわざも存在します。
親は、子どものことをいつまでも幼いままと思っているが、子どもは親が思っているよりも、日々成長しており、子どもは子どもなりに様々なことを考えているものです。
それでも親は、子ども扱いし、子供の成長や気持ちを理解していないことを意味しています。
では、親の心理と子の心理を比較してみたいと思います。
〇親の心理
「あなたのことを思っていっているのに、なぜわかってくれないの?」
親にとって子どもは、いつまで経っても子どもであり、成長し大人になってもついつい心配してしまうものです。
子どもには、理解できないかもしれませんが、きっと親ってそんなものなのでしょうね。
子どもだった私も親になると、子どもがかわいくて仕方がないのです。
そんなかわいい子どもにはなるべく苦労をさせたくないと思うのでついつい言ってしまうのです。
できれば、障害や危険を取り除き、安全で安心な道を進ませたい。そんな過剰な愛情だってあるのです。
親である私の方が長く生きている分、知恵や経験がありますから、正しい判断ができると思い込んでいるのです。
さて、これって本当に子どもの為であり、子どもにとってよいことなのでしょうか?
〇子どもの心理
「自分で考えて行動できるのに・・・どうしていちいち口出しするの?」
「もう子どもじゃないのに、少し構わないでほしい。」
今、親になっているあなたにだって、一度や二度は思ったことがあると思います。
そうですよね。すべてにおいて親が先回りして、安全な道だけを歩ませていたら、自分で考える力を備えないまま大人になってしまう恐れだってあります。
子どもが進もうとしている道が、人の道に外れる犯罪であるならば、正しい道に導くことは必要だと思いますが、夢への挑戦であるならば、たとえいばらの道であっても、グッと我慢して見守る勇気も必要ではないでしょうか。
そして、子どもが頼った時は、自分の意見を押し付けるのではなく、アドバイスをしてあげることもできるのではないでしょうか。
〇どちらも間違ってなく、それぞれの立場では、あたりまえな思考なのです!
親を経験するのは、これから先の未来である人もいるかもしれませんが、誰もが子どもを経験していますよね。
ですので、「子の心親知らず」を感じたことがある方は多いのではないでしょうか?
私は、今、親を経験しています。多くの人は自分を中心に物事を考えてしまいます。
「親の心子知らず」も「子の心親しらず」も、それぞれが自分の立場で考えてしまうと当たり前で仕方のないことなのだと思います。
しかし、ちょっとだけ相手の立場で考えてみると、お互いを理解することができるのではないでしょうか。
偉そうにお互いを理解することが大切だと説明をしたものの、実は、自分に言い聞かせているのです。
愛おしい子どものことが、どんなに成長しても心配で仕方ないのです。
そして、気になるがあまり詮索したり、想像したりして、勝手に自らが病んでみたり、余計なお節介や説教をして、子どもからうっとうしがられる。でも、親の願いは「子どもの幸せ」なのです。
そんな私は、最近、母に言われました。
「自分の子どもを信じてあげなさい。あなたの子どもはそんなにバカじゃないから」
母は、私の親ですので、この場合は、私は子どもの立場になり、立ち位置が変わるのです。
私は、気づかない間に親に心配をかける「親の心子知らず」であり、そして「子の心親知らず」にも当てはまっていたのです。
そうですよね。子どもを心配するのは当然ですが、心配しながらも、信じて見守る。そんな強い心が親には必要なのではないでしょうか。
そして、信じて見守られた子どもは、自立した立派な大人へと成長するに違いありません。
そうであってほしいと願うばかりです。
〇「親の心子知らず」「子の心親知らず」の解決方法?!
「親の心子知らず」「子の心親知らず」の解決方法といっても共に難しいですが、子どもは親になれば、親の気持ちがわかるようになるので、「親の心子知らず」は時間が解決してくれると思います。
今は親の心がわからない子どもでも、自分の子どもができれば、親の気持ちをある程度は理解できるようになるのですね。
そして時代の流れによって考え方は変わってきますので、時代の流れにそって考え方を柔軟にすることも大切だと思います。
柔軟な考え方をするという努力をするだけでも「子の心親知らず」を少しは解消できるのではないでしょうか。
そして自分の考えは、間違っていないと思い込まずに、親も子もお互いに話しを聞いて、相手の立場になって考える努力と愛情があれば、「親の心子知らず」「子の心親知らず」は解決していくと思います。
基本は、親が子どもの意見をきちんと聞いて、成長を信じて待つしかないようですね。