悪い人といえば?なんとなくだけど・・・前科者と思う人がいるかもしれませんが、前科のことをきちんと理解していますか?
そして、あなたは前科者と言えばどんなイメージを持っているでしょうか?
前科者といえば、極悪非道、ヤクザや凶悪犯というイメージを持っている人もいると思いますが、本当にそうなのでしょうか?
そして、テレビドラマなどで前科者だからといって、罪を償っても、後でいろいろな問題が発生すると思っている人も多いですよね。
だから、もし前科者になれば、人生が台無しになってしまうと思っている人もいるようですが、前科者になれば本当にそんなことになるのでしょうか?
そんな悪いイメージのある前科について、少し気になったので調べてみることにしました。
では、まずは簡単に前科とはいったいどんなモノなのかを知ってみましょう。
○前科とは?!
犯罪をして、逮捕、起訴され、裁判で有罪判決を受けた人には前科が付きます。
だから、前科が付いた人は、犯罪をした人ということになります。
そして、前科という言葉は聞いたことがあると思いますが、それと似た前歴という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
○前科と似た前歴というものがある?!
普通に前歴と言えば、これまでの経歴ということになりますが、ここでいう前歴は少し違います。
前科と似ている前歴とは、逮捕されたが起訴されず不起訴となった場合に付きます。
逮捕された場合、検察官によって本当に犯人なのか証拠を元に取り調べが行われます。
そして、犯人だという確証ができれば起訴して裁判が行われることになり有罪になれば前科が付きますが、起訴しないと判断されれば前歴になるのですね。
どんなときに起訴しないかというと、逮捕して調べた結果、犯人の可能性がないと判断された場合の嫌疑なし、疑わしいけど犯行を立証する証拠が少ない場合の嫌疑不十分、そして犯人だけど比較的罪が軽く深く反省している場合に下される起訴猶予があります。
だから、逮捕された場合は、起訴されなければ前科は付きませんが、起訴されなくても前歴が付くことになるのですね。
そして、逮捕、起訴され、裁判で有罪判決を受けた場合に前科が付くのですが、どんな犯罪をすれば前科が付くことになるのか?が気になりますよね。
○前科はどんなときに付くのか?
前科者と言えば、かなり悪いことをした人だと思っている方も多いと思います。
もちろん。かなり悪い犯罪行為をすることで前科が付くこともありますが、軽い犯罪であっても前科は付くのです。
犯罪をして懲役や禁錮などの実刑になった人が前科者というイメージがあると思いますが、略式起訴で罰金刑を受けたという場合も有罪判決と同じで前科が付きます。
だから、スピード違反や器物損壊罪などの交通事故であっても前科が付く場合があるのです。
また、相手が喧嘩を売ってきて喧嘩になり相手を傷つけた場合でも傷害罪で前科が付く場合があります。
だから、故意で悪いことをしなくても前科が付くこともあるのです。
だから前科者だからといって悪い人だということではないのかもしれませんよ。
○前科者は悪い人?!
前科者は、今現在、悪い人というわけではありません。(悪い人もいますが・・・)
過去に悪いことをしたことがあるということであり、前科は過去の産物なのです。
そして、スピード違反や器物損壊罪などそこまで悪いことをしなくても、前科が付く場合があるのですね。
前科者は、悪い人、悪意のある人だと思っている方は、少し前科者のことを勘違いしているかもしれないのです。
前科者でなくても、悪い人もいれば善い人もいますし、前科者であっても善い人もいるということです。
そして、前科は、周りの人よりも、前科が付いた人の方が気になることが多いと思います。
なぜなら前科者だとバレると周りの人から白い目で見られるようになるからではないでしょうか?
○前科や前歴はバレる?!
前科や前歴がバレると、就職や人間関係に問題が生じると思っている人が多いと思います。
だから、前科や前歴があると怯えて暮らすことになると思っている人も多いと思います。
前科や前歴の情報は、警察庁、検察庁、市区町村で管理されていますが、基本、誰が聞いても教えてくれないので確認することはできません。
だから、調べられて前科や前歴が誰かにバレることは、基本ありません。
しかし、マスコミによる実名報道があった場合は、新聞や雑誌に掲載されていますし、インターネット上にも名前が残るので、調べられれば前科があることがバレることもあります。
そして、前科で気になるのがいろいろな不都合ですよね。
○前科があると不利?!
前科があると仕事に付けないなど、テレビドラマなどで前科があることで人生が不利になるようなことがあるように表現されますが、実際に前科があると本当に不利なことがあるのでしょうか?
マスコミによる実名報道などが無ければ、結論から申しますと、前科が付いていても日常生活を送る上で、基本、あまり問題ありません。
しかし、仕事によっては、前科があると不利になる仕事があります。
禁錮以上の前科者は、国家資格によっては欠格事由になりますので、その資格が必要な仕事は一定期間できなくなりますし、弁護士、裁判官、検察官なども同様に一定期間なることができません。
そして、前科の内容によっては、海外旅行をする場合に渡航先の国のビザを事前に取らないと行けない可能性がありますし、ビザが発給されても入国審査で入国を拒否されることもあるようです。
だから、禁固以上の前科がある場合は、少しは不利になる場合があるのですね。
そして、前科のことで気になるのが前科は一生消えないのか?ということではないでしょうか?
○前科は消える?
罪を償い、誠実に生きていけば、いつかは前科が消えるかと思うかもしれませんが、残念ながら前科を消すことはできません。
前科、前歴の犯罪歴は、警察、検察、本籍地の市区町村で保管され、死亡するまで残ります。
その前科、前歴の犯罪歴は、再犯の防止や事件の解決のために使用されますが、きちんと保管されていますので、この3つの機関から前科、前歴の情報が漏れ出すことはありません。
だから、きちんと罪と償い普通に暮らすのであれば、前科、前歴があっても、基本、何の問題もないということなのですね。