DNA(デオキシリボ核酸)は、生き物を形作る上でもっとも重要な情報をもつもの。
遺伝子とは、DNAという物質に刻まれた生物の設計情報の事で設計図と言っていいでしょう。
DNAは、人間の目には見えないほどの大きさしかありません。
しかし、長さはというと結構な長さがあります。
人体の中で長いものと言うとよく血管があげられます。直線にすると地球2周半という驚異的な長さですが、DNAをすべてつなげると血管の長さを大幅に超えるんです。
DNAの長さは一つの細胞の中に170センチメートルあります、人間の細胞数の60兆個の細胞があるという事なので、かけると長さは1044億キロメートルもある事になるんです。
地球が約4万キロメートルですから、2,160,000回 地球を回ることができほどの長さになるという事です。
この細胞数60兆個と言う数は、1キログラム当たり1兆個の細胞があると仮定しての計算であり、近年の研究では、人体の細胞数は37兆2000億個だという話が出てきている。
私は科学者ではないため、どちらが本当かわからないが、どちらにしてもDNAの長さは相当長いです。
それだけの長さがあるということは、それだけ情報が詰まっているということなのです。
1キログラム当たり1兆個の細胞があるという話から、体重150キロのお相撲さんは150兆個の細胞があると思われる方がいると思いますが、そんなことはありません。
体重が重たくなるのは細胞が増えているのではなくて、細胞内に脂肪などが蓄積されて細胞が大きくなっているだけなので、細胞の数は基本的に体の大きさに比例しないんですね。
〇DNA・遺伝子が同じであれば全く同じになる?!
DNA・遺伝子は設計図であるため、同じDNA・遺伝子を持っている人がいれば全く同じ人間になるかと言われたら少し違うんです。
たとえば プラモデルを作るとします。
同じ設計図を使っても作るひとが違う場合、カラーリングを変える人もいれば、少し削って見る人もいるし、付け足しちゃう人もいると思います。
そんな感じかは微妙ですが、発育の過程や環境などによっても少しずつ変わってくるので、DNA・遺伝子が同じである一卵性双生児であろうと、姿形は似ていても、いろいろな違いが出てくるものなのです。
体の形はDNA・遺伝子によって 基本 決まっています。
しかし 指紋はDNA・遺伝子によってある程度の形が決まりますが、似ているもができても、全く同じ物にはなりません。
またDNA・遺伝子によって顔も似ていますが、顔認証においても双子を判別することはでき、静脈パターンや虹彩も違いがでるんです。
設計図であるDNA・遺伝子が同じでも いろいろな部分で違ってくるんですね。
〇クローンは全く同じにならない?!
レインボーという三毛猫から採取されたDNAを使ってクローンの猫を作った話があります。設計図(DNA・遺伝子)が同じであれば同じような猫ができるはずです。
しかし、生まれてきたレインボーのクローン猫であるCCの外見は全然レインボーとは違ったのです。
CCという名はCopy Catの頭文字を取って付けられました。
CCは、三毛猫と同じ遺伝子なのに三毛猫ではなかったのだ。CCは、キジシロという模様の猫だったのです。
三毛猫とは、3色の毛が生えている猫の総称。
キジシロとは、白地にキジトラ模様の猫の総称。
このように同じ設計図であっても違う結果になることがあるのが、DNA・遺伝子であり、DNA・遺伝子の面白いところなのです。
人間の設計図(DNA・遺伝子)は、他人との違いは僅か0.1パーセントと言われています。
あの人と私は身長が20センチも違うとか顔つきが全然違うとかいろいろありますが、設計図を見たら、ほとんど同じであると言えるのです。
少し設計図が違うだけでこんなにも形がかわるのは驚きですが、同じDNA・遺伝子でも違いが出るので納得できますね。
また、ウニと人間は7割、DNA・遺伝子が同じだと言われています。
7割もDNA・遺伝子が同じなのにウニと私たちは全くといっていいほど違いますよね。
チンパンジーは99%のDNA・遺伝子が人間と共通しているんです。
些細な遺伝子の違いが大きな違いをもたらすわけです。DNA・遺伝子のこれからの研究に興味がわいてきますね。
DNA・遺伝子は同じでも違う存在になり、人間はDNA・遺伝子だけで作られていないということなのです。
ある程度の設計図があるが、人間はいろいろな要因で今の自分になっているのです。
ということは、変わろうと思えば変われるということなのです。いっしょに素敵な人間なれるように頑張っていきましょう。