だから脳は、私たちの体を制御するとても重要で複雑な存在なのです。
そんな脳をiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作ることができ、いろいろな研究に役立つと言われています。
だから、脳を作りだせるiPS細胞は万能細胞だと言うことです。
私たち人間の脳は、ほかの動物の脳の比率に比べて大きく、複雑であることがわかっています。
脳は体に対する大きさと質が大切で、人間の脳よりもクジラの方が脳のサイズは大きいですが人間のようにクジラは頭が発達していないのですね。
○脳の研究
基本的に何かの実験を行う時は、実験動物であるマウスを使用して実験を行いますが、マウスの脳と人間の脳では違いがありすぎるため、マウスの脳では人間の脳の研究を行うことは難しく、人間の脳で起きる病気の解明にはあまり役立たないのです。
だから、人間の脳の研究をするためには、人間の脳で研究するのが一番なのですね。
しかし、倫理問題などがあり、生きている人間の脳を研究に使うのは無理ですし、死んでいる人の脳では研究ができない部分が多く、研究が進まないという現状があります。
そのため、今まで人間の脳の研究は難しいものでしたが、iPS細胞から人間の脳を作ることに成功したため、人間の脳の研究が格段に進む可能性がでてきたのです。
iPS細胞から作られた脳によって、いろいろな脳の病気の研究がされ治療方法が見つかる可能性が高くなったというわけですね。
だから、小頭症の人の細胞から脳を作成することによって、小頭症の解明にもつながると言われています。
○脳の作成
現在iPS細胞から作成することができる脳は、4mm程度言われており、かなり小さいものになります。
大きいサイズが作れない理由は血管が存在していないためです。
脳を作成できても、今の技術では脳の周りの血管が作成できていないため、脳にきちんと栄養がいかずに脳のサイズがある程度で止まってしまうようです。
サイズが小さいといっても人間の脳を作れたことは凄いことですよね。
これからiPS細胞によって作られた脳を使っていろいろな研究が行われて、血管も作成されるようになれば、人間の脳にもっと近い存在になり、近い将来には人間の脳の構造が解明されるかもしれませんね。
○脳の作成の倫理問題
脳を作成するとなるとどうしても言われるのが倫理問題です。
脳をiPS細胞から作ったとはいえ、人間の脳を実験に使うと少なからず批判がでてくるものです。
倫理問題があると研究や実験はしにくくなります。
しかし、iPS細胞から作られた脳は、脳自体に体も耳も口も視力も存在していません。
そのため、脳は一切の刺激を与えられていない状態で作られていますので、脳に一切の感情や気持ちは存在しないと言われています。
だから、iPS細胞から作られた脳は、、人間の脳から作られており、人間の脳のような構造をしていますが、人間の脳とは違うものになります。
脳に感情があったらかなり問題ですが、感情がないのでこれからどのような意見がでるかはわかりませんが、問題がないのではないでしょうか?
○人工脳の活用
iPS細胞から作られた脳である人工脳が作成されたら、まずは脳の病気について解明することができるようになるでしょう。
人間の脳の病気で認知症などは、治らない病気として知られていますが、人工脳を作って研究がされれば、有効な治療方が発見されて認知症は簡単になる病気になる可能性もあります。
また、うつ病などの精神病にも効果的な治療が見つかるかもしれませんね。
そして、事故や病気により、一部の脳が使えないような状態になったときに、脳の再生医療などもできるようになるかもしれません。
そして、人間の脳の構造の解明にも役立ち、人間の脳とコンピュータをつなげることができるようになるかもしれません。
今、現在でも人間の脳波を読み取ってパソコンを動かすことができますが、人工脳の研究や実験によって、人間の脳とコンピュータの間はもっと近くなり、人間が念じるだけで、コンピュータが動くようになり、マウスやキーボードがいらない時代が来るかもしれませんね。
その他にも脳といろいろなものが意識でつながり生活が便利に可能性もあるのではないでしょうか?
iPS細胞から作られた脳によって、脳の研究が進めば、病気の治療や生活など、いろいろなことに役立つということですね。