盲導犬は、視覚障害者の補助として働く補助犬で、日本には1000頭ほどの盲導犬が生活しています。
日本の盲導犬は、基本、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの雑種のF1が基本となります。
F1とは、雑種の1世代目のことで、2世代目になるとF2になるので、F1の子どもは盲導犬にはなれません。
○なぜ?日本で盲導犬になれる犬種が決められているのか?
盲導犬は、目が不自由な人の目となり、人を先導して危ない時は止まらないといけません。
人間を止められるほどの力を持っている犬種となると大型犬でないと難しいので、小型犬と中型犬は除外されてしまいます。
また、人と生活を一緒にしていくので、できる限り威圧のない犬にすべきだと考えられているので、優しそうなゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーが選ばれています。
もし、警察犬として有名なシェパードが盲導犬として、街中を歩いていると大抵の人は、ちょっと怖かったり驚いたりするのではないではないでしょうか?
盲導犬の犬種として選ばれるのは見た目の問題もあるようです。
また、F1の雑種が選ばれるのは、生まれてくるのがすべて短髪で手入れがしやすく、混血によって変化が起きすぎないためになります。
このような理由から盲導犬の犬種は選ばれていますが、海外では他の犬種の盲導犬を見かけることも多いようです。
○犬は盲導犬の訓練が嫌じゃないのか?
盲導犬として生まれた犬は、生後2か月でパピーウォーカーと呼ばれる子犬を育ててくれるボランティアの人と生活することになります。
そこで、10カ月間はパピーウォーカーの家族として生活し、人間社会について学ぶことになります。
そして1才を迎えるころ、パピーウォーカーを離れて盲導犬の訓練をすることになります。
訓練と言われると、とても楽しくないように聞こえるかもしれませんが、楽しくないものをずっとやらされても犬は覚えようとしないので、楽しく訓練を行います。
また、犬も人間の言葉を理解して褒められると嬉しいので、性格にも寄るかもしれませんが、訓練をやることはそれほど嫌なことではないようです。
そして、盲導犬は考えようによっては、常に家で留守番をさせられているよりも、常に飼い主と生活できる犬は幸せなのではないでしょうか?
引退した盲導犬は、老犬ホームに行きますが、元ユーザーが遊びに来ると尻尾を上げて喜ぶそうです。それほど、絆ができており盲導犬は、幸せな生活を暮らしているといえると思います。
○盲導犬を見かけても触ってはいけません!!
盲導犬は、目が不自由な人の目となり生活している犬なので、触られたりお菓子を渡されたりすると、盲導犬や盲導犬のパートナー(ユーザー)が困ってしまいます。
だから、外で盲導犬を見かけた場合は、触ってはいけませんし、可愛いからと思って犬に話しかけてもいけません。
また、ユーザーの許可をとって触ることも基本的にダメですよ。
しかし、ユーザー自身が困っているような時は、話しかけて助けてあげるのはOKです。
ただ、盲導犬の邪魔をしないようすることが大切なので、子どもが盲導犬に近づこうとした時は止めましょう。悪意はなくても邪魔になることがありますよ。
そして犬は、色彩感覚が人間よりも低いので、信号の色の判別が難しいのです。
そのため、信号を渡るのはユーザーの判断になりますので、信号を渡ろうとしている時は「赤ですよ」または「青ですよ」と言ってあげると親切になります。
ちなみに話しかける時は、犬のいない方から話しかけ、ユーザー自身に直接触らないようにしましょう。
目が見えないのでいきなり触るとビックリされて、お互い嫌な気持ちになりますよね。
○補助犬は盲導犬だけではない?
人間の補助をしてくれる補助犬は、盲導犬が最も有名で最も数が多いのですが、介護犬と聴導犬と呼ばれる補助犬も存在しています。
介護犬は、体の不自由な人の支えになったり、物を取ってきてくれたりする犬であり、こちらも大型犬が選ばれる傾向にあります。
日本では、介助犬もゴールデン・レトリバーがやはり多いようです。
聴導犬は、耳が不自由な人の耳の代わりとなる犬で、子どもが泣いていたり、ベルの音がなっていたりすると教えてくれる犬になります。
聴導犬の場合は、音を知らせるのが目的となりますので、体の大きさはあまり関係ありません。
餌代や家の大きさなどを考えると、小型犬が選ばれることも多くあります。
聴導犬を見かけた際も、やはり犬には触らないようしましょう。
盲導犬は、可愛いかもしれませんが、ルールを知って対応には十分に注意するようにしましょう!