多くの人は血液検査をしたことがあると思いますが、血液と言えば、A型・B型・O型・AB型という血液型がありますよね。
そして「黄金の血液」と呼ばれる血液があることを知っているでしょうか?
献血をしたことがある人もいると思いますが、私たちが、怪我をしたり病気になったりして、血液が必要になった時に、献血で集めた血液を輸血することがあります。
そして、輸血をする時には、自分と適合した血液型の血液を輸血しないと、拒絶反応を起こしてしまいます。
しかし、なんと「黄金の血液」であれば、誰に輸血しても拒絶反応が起きないのです。
一体、黄金の血液は、なぜ誰にでも輸血することができるのでしょうか?
では、黄金の血液について知るためにも、まずはABO式血液型について知っておきましょう。
○ABO式血液型とは?!
ABO式血液型とは、赤血球の抗原の種類によって決められる血液型であり、赤血球には、A抗原とB抗原という2種類の抗原が存在しています。
分け方は非常に簡単で、A型はA抗原を持つ人、B型はB抗原を持つ人、AB型はA抗原とB抗原の両方を持つ人になります。
そして、O型はどちらの抗原を持っていない血液型になります。
このようにABO式血液型は、赤血球のA抗原とB抗原によって決められている血液型なのです。
○ABO式血液型で輸血ができるか決まる?!
基本、自分が持っていない抗原が含まれる血液を輸血してしまうと、拒絶反応がおきてしまいます。
そのため、基本的には自分と同じ血液型の血液を輸血することになりますが、抗原をもっていないO型に関してはどの血液型にも輸血することが可能です。
逆にO型は赤血球に抗原がありませんので、O型以外から血液をもらうことができないのです。
さらに、AB型に関しては両方の抗原をもっているので、A型とB型の血液型を輸血することができるのです。
しかし、他の血液型が輸血することが可能であっても、基本的には、自分と違う血液型が輸血されることはありません。
そして、ABO式血液型について説明しましたが、輸血するには、もう一つの抗原が重要になるのです。
○Rh式血液型も忘れてはいけません!
赤血球にはA抗原とB抗原があると説明しましたが、赤血球には他にも多くの抗原が存在しています。
その中でも特に輸血するのに重要なのがD抗原であり、D抗原が有るか無いかによって、輸血することができるかが決まります。
血液型でRh+やRh-などと聞いたことはありませんか?
これはD抗原の有無を示しており、Rh+はD高原があるということで、Rh-はD抗原が存在しません。
D抗原が無い人に、D抗原が有る人の血液を輸血すると拒絶反応を起こすことになり、場合によっては死に至ることもあります。
そのため、輸血の場合はABO式血液型だけでなく、Rh式血液型も重要になるのです。
そのほかにも、細かく分類すると血液にはいろいろな種類がありますが、A抗原やB抗原、D抗原に比べて拒絶反応が弱いので、輸血の際には無視されることになるのです。
ただ、やはり抗原が違うので、多少の拒絶反応がおきてしまう可能性はあります。
このように血液の抗原によって輸血の際に拒絶反応がおきるのですが、その拒絶反応に関係する抗原が存在しないという血液があるのです。
○黄金の血液には抗原が存在しない!!
そして、誰にでも輸血することが可能である「黄金の血液」ですが、全く抗原を持っていない血液になります。
基本、輸血で拒絶反応がでるのは、体内に持っていない抗原が侵入するためですが、黄金の血液は、反応する抗原が無いので、誰にでも輸血でき拒絶反応がおきない特殊な血液なのです。
そして、黄金の血液を持つ人は、200万人に1人ともいわれており、黄金の血液を持っている人は非常に少ないのです。
だから、黄金の血液を持つ人は、1億人いても50人しか存在しないということになります。
そして、誰にでも輸血できる黄金の血液ではありますが、逆の立場になると困ることになるのです。
なぜ黄金の血液だと困るかというと、黄金の血液は、逆に輸血してもらう場合は、ほとんどの血液に拒絶反応することになるからです。
○黄金の血液はほとんどの血液に拒絶反応
黄金の血液の人は、抗原を一切持っていない血液ですので、基本、ほとんどの血液で拒絶反応してしまう可能性がある血液型でもあります。
だから、全く拒絶反応がでずに輸血することができる血液型は、黄金の血液だけなのです。
ただ、A抗原やB抗原、D抗原以外は、拒絶反応が少ないので、O型のRh-の血液型であれば輸血することができます。
「黄金の血液」は、他人にとって最強であっても、自分にとっては最弱(?)な血液なのかしれません。
あなたの血液型は何型ですか?もしかするとあなたは黄金の血液を持っているかもしれません。
ただ、O型のRh-でなければ、その時点で黄金の血液ではありません。