キレイな川に生息することで有名な蛍は、日本に約40種類もいるといわれています。
日本人がイメージすることの多い、川の近くに飛んでいる蛍は、ゲンジボタルという種類の蛍です。
私たちは、蛍といえば、ゲンジボタルの印象が強いですが、蛍の種類によっては山に生息するものもいます。
蛍のことを知って、もっと蛍を楽しんでみてはいかがでしょう。
○蛍はオスとメスで光り方に違いがある?!
蛍は、川の近くで飛んで発光しているイメージが強いですが、飛んでいる蛍のほとんどはオスで、メスの蛍は草などに隠れていることが多いのです。
光の強さもオスの方が強いため、メスの蛍を発見するのは難しいとされています。
また、オスの蛍は、集団で同時に発光することがあり、同時に光って同時に消えることがあるのですね。
この同時に光だすことを「集団同時明滅」といい、決まった時間に行うことが知られています。
1日に3回ほど、いっせいに光始めるタイミングがありますので、キレイな蛍が見たい人は、光る時間を前もって調べてみてはいかがでしょう。
ちなみに、蛍は地域によって光の間隔や、光る時間に違いあり、人間でいう方言のようなものがあるのです。
また、種類によって点滅の速度が違い、ゲンジボタルとヘイケボタルは、生息場所がかぶるので、点滅のタイミングが違う蛍がいれば、種類が違う蛍が混じっているのかもしれませんよ。
一斉に光始める蛍はキレイなので、ぜひ一度見てもらいたいものです。
○山に生息している蛍の方が多い?!
蛍といえば、キレイな川や田んぼに生息していることで知られていますが、蛍全体から見ると山に生息している蛍の方が多いのです。
なぜ、川で生息しているイメージが強いのかというと、川にいる蛍が最も発見しやすいからになります。
山の奥に蛍が生息しているのがわかっていても、夜の危険な山に蛍を見に行く人は少ないからだと思われます。
川に生息する蛍であれば道路があるため、近くまで車で行けたりしますね。
対して、山の蛍は道が整備されておらず、歩いて見に行かないといけないこともあります。
そして、川の蛍の幼虫は水中で生息しますが、山の蛍の幼虫は土の中に生息しています。
川と山では種類が違う蛍なので、一般的に私たちが見たことがあるゲンジボタルとは光る間隔に違いがあるので、山に蛍を探しに行くと面白いかもしれませんね。
しかし、夜の山には危険がありますので、山の蛍を見に行く際には、一人で行動せずしっかり準備をしてから行くようにしましょう。
○蛍は幼虫から発光する?
蛍は成虫になってから光輝くと思っている人も多いですが、蛍は幼虫の段階から発光器官をもっており、卵のなかで発光を始める種類まで存在します。
私たちが良く知るゲンジボタルの場合は、幼虫よりも成虫の方が強く発光し、川の近くを飛んでいるので発見しやすいのですね。
幼虫や蛹は川の中や土の中に生息しているので、かなり探そうとしないと発見するのが難しいでしょう。
また、蛍は幼虫では発光するが、成虫になったら発光をしなくなる種類が多く、蛍は成虫よりも幼虫の方が発光する種類が多くいるのです。
特に昼行性(昼に活動する生き物)の蛍は、発光する必要性がないので、発光しないことが多いです。
さらに、一部の蛍では、卵から成虫まで、ずっと発光することが無い種類も存在しています。
○メスは飛べない蛍もいる?
ゲンジボタルやヘイケボタルのメスは、オスに比べて飛んでいるのを見ることは少ないですが、羽があるので飛ぶことは可能です。
しかし、蛍の種類によっては、羽が退化してメスの蛍は飛ぶことができない種類も存在しています。
蛍は一般的にオスとメスの違いは、体格の違いが目立ちますが、羽が退化してしまった種類の蛍では、見た目に大きな違いが出ることがあります。
メスが飛べない蛍では、オスは私たちがイメージする蛍とはちょっと違う程度ですが、メスは茶色や白色で見た目が幼虫に近いことが多いです。
イメージしている蛍と全く違うので、昆虫が苦手な人は、気持ち悪いかもしれません。
日本にもメスが飛べない種類の蛍は生息していますので、興味のある方は調べて探しに行ってみてはいかがでしょう。
特に南の地域に蛍が多いので、九州方面に蛍を探しに行くことをおすすめします。
このように、蛍は種類によって大きく違いがあります。皆さんの蛍のイメージが変わったのではないしょうか?
では、最後に蛍を楽しむために蛍を見るときに知っておいた方がいいと思うことを紹介しておきます。
○蛍をもっと楽しむための知識
一般的に私たちが見て楽しむ蛍は、ゲンジボタルとヘイケボタルです。
ホタルが飛ぶ時期は、地域や場所で違いますが、ゲンジボタルの観賞時期は、5~7月迄。ヘイケボタルは、6~8月迄が一般的です。
暖かい年には早く蛍が出現する傾向にあります。
そして、ホタルは夜3回飛んで発光しますが、基本、1回目が8~9時、2回目が11時~12時、3回目が2時~3時です。
そして、蛍は雨が降っている日や風が強い日、冷え込んだ日にはあまり飛びません。
一番、蛍が飛ぶ日は、生暖かい日で曇って風のあまり無い日に多く飛びます。
また、蛍は強い光を嫌うので、懐中電灯などであたりを照らしたりするのはNGです。
蛍の時期になったら、蛍を楽しみに出かけてみてはいかがでしょう。