夏になると土の中から出てきて鳴き始める蝉、蝉が鳴き始めると夏の始まりを感じる人もいれば、蝉の鳴き声がうるさいと思う人もいますよね。
ちなみに、私はヒグラシゼミの鳴き声は好きですが、他の蝉の鳴き声はあまり好きではありません。
だから、蝉の鳴き声は、基本、騒音にしか感じません。
そして、蝉といえば、成虫になってからの寿命が1週間しかないことで知られていますが、実際には、蝉は、成虫になって1カ月程度は生きるといわれているのです。
なぜ、蝉は1週間しか生きないと言われているのでしょうか?
○蝉は飼育するのが非常に難しい?!
蝉が1週間で死んでしまうと言われる理由は、蝉の飼育が難しく捕まえてから1週間以内に、ほとんどの蝉が死んでしまうためになります。
蝉は、木から栄養素を吸って生きていますが、木なら何でも良いというわけではないため、適当に枝を入れても意味がありません。
そして、蝉が栄養を吸える木を、新鮮な状態で調達して虫かごに入れるのは、私たちには無理なことなのです。
だから、蝉の寿命は1週間といわれるのは、虫籠の中では1週間以内に餓死して死んでしまうためになります。
飼育されてない蝉は、自分で餌を探して餓死しないので、寿命は1カ月ほどあるとされています。
また、蝉の種類によって寿命が変わってきますが、長く生きる蝉だと2カ月ほど生きることもあるとされており、蝉は私たちが思っているほど短命な虫ではないようです。
そして、蝉は幼虫の期間も合わせると昆虫の中では寿命が長い生き物になります。
○蝉は土の中で長期間生きている!
蝉は、短命な虫といわれることがありますが、土の中で非常に長期間生きているために虫の中では長寿な部類になります。
一般的な昆虫は生まれてから死ぬまでの期間は1年以内の事が多いのですが、蝉の場合は種類によって違いがありますが、2年以上の寿命が一般的です。
ちなみに、私たちが見かけることが多い蝉の代表格であるアブラゼミでは、生まれてから成虫になるまでに6年かかるとされており、一般的な昆虫の6倍以上も長生きしていることになります。
しかし、個体差があるため、成長が早ければ1年早めに成虫になることもあるようです。
また、海外では土の中で17年間生活してから成虫になる蝉もおり、17年に1度大量に発生する蝉が存在します。
このように、蝉は虫の中では非常に寿命が長く、蝉は寿命が短いと思っているのは間違いだったのです。
しかし、蝉は成虫になれば、天敵が多いので寿命が短くなることもあります。
○蝉には天敵が多いので1週間で死ぬことも多い?!
蝉は成虫になってから1カ月ほど生きることができるのですが、寿命が来る前に他の虫や鳥に食べられることが多いとされます。
蝉は、クモの巣にひっかかりそのまま食べられたり、カマキリに捕まったりと、寿命が尽きる前に食べられることも多いのです。
さらに、羽化の時に蟻に見つかって食べられることもあり、成虫になりかけている時に死んでしまうこともあります。
蝉の寿命は1週間ではありませんが、1週間以内に死んでしまう蝉は多く存在しており、成虫になってから生きられる期間は短いのは確かです。
また、蝉は暑い時期に鳴くことから暑い季節が得意だと思っている人も多くいますが、なんと蝉は暑いのが苦手です。
真夏に羽化してしまった蝉は暑さによって短命になり、2週間で寿命が尽きてしまうこともあるようです。
逆に、初秋で涼しい期間に羽化した場合は、長生きしやすく1カ月以上生きる個体が増えるのです。
暑さが苦手な昆虫は蝉だけでなく、夏の虫のほとんどが暑すぎるのを苦手としており、子どもが大好きなカブトムシも暑いのが苦手なのですよ。
そのため、真夏に生まれた昆虫は、少し涼しい月に生まれた昆虫よりも短命になってしまうのです。
だから、虫を飼育する時には、日陰で直射日光が当たらない所で飼育することで、長生きさせることができます。
ただ、昆虫は寒いのも苦手なので寒すぎるところに置くことで、短命になり死んでしまうこともあります。
だから、虫を飼育する時には、温度管理には十分に注意してくださいね。
蝉は、意外にも昆虫界では長生きな昆虫なのです。
そして、蝉の飼育は難しいので、蝉のことを考えると、虫とりで捕まえても逃がしてあげた方がいいのですね。